まず最初にお断りをしておきます。

今日は電子書籍を出版するにあたって知っておいた方がイイ、法律関連の話です。

ですが、今日の話は参考程度に聞くようにして下さい。

 

私は法律の専門家ではありません。

正確な法律判断は専門家に尋ねることがベストです。

しかし、あなたも最低限のことは知っておかなければなりません。

知らなかった・・・素人だから・・・そんな言い訳が通用しないこと!

以前の話ですが、「ジャニーズ事務所が、SMAPのファンの方が運営されているブログに対して、ブログ記事の削除要請をした」という内容の記事を目にしたことがありました。

(実際には、ジャニーズ事務所のグループ会社は無料ブログサービス提供会社に削除要請をし、無料ブログサービス提供会社がブログ運営者に削除要請をしたという流れ)

 

ジャニーズ事務所は知的財産権について非常に厳しい会社で有名です。

その他にも、あなたもご存知の会社で厳しいところはいくつもあります。

特に、キャラクタービジネスを展開している会社は非常に厳しいです。

 

「厳しいから」という理由ではなく、本来知っておかなければならないことですし、他人の知的財産権を犯すことはNGなので、是非、頭に入れておいてください。

 

ネット上では、非常に多くの人たちが、安易な気持ちで他人の知的財産権を犯しています。

著名人の写真を無断でつかう、テレビ番組などをYouTubeにアップロードをする・・・

これらが違法行為であることを知っていて、それでもやっている人もいます。

SNSやYouTubeでは、こういった行為が当たり前のように横行しています。

 

でも、あなたは間違わないでください。

「知っていた」「知らなかった」は問題ではありませんし、「バレなければ問題ない」わけではありません。

あなたは知っておかなければならないのです。

内容についての責任は、すべて自分(=あなた)にある

個人パブリッシング(個人出版)と言うと、どうしても私的な範囲内での出版だと思ってしまう面があります。

しかし、Amazonで出版する、販売する以上、公の場に自分のコンテンツを出すということです。

 

今、「Amazonで」と言いましたが、これはAmazonに限ったことではありません。

ブログでもFacebookでも、他のメディアで自身のコンテンツを発表・発信する以上、公の場に出すことは変わりません。

 

そして、公の場、世の中に出すということは、その場所(世の中)のルールに沿わなければなりません。

当然のことですが、法律の適用を受けることになりますし、そのほか多くの権利関係をクリアにしておく必要もあります。

 

結局、あとあと揉めることの方が、時間も労力もお金もかかります。

だったら、最初から注意を払っておいた方がイイのです。

 

ここまでの話で、あなたを怖がらせてしまっているかもしれませんし、面倒だと感じさせているかもしれません。

でも、細かなことはたしかにありますが、考え方そのものはとてもシンプルです。

 

「人のものを盗むな!」「人のものを勝手に使うな!」

シンプルに考えれば、これだけのことです。

コレって、当然のことですよね。

法律はOKでもアマゾンがNGの場合もある

日本国内で出版すれば、日本の法律の適用を受けることになります。

では、法律さえクリアすれば、それですべての問題がクリアになるかというと、そうではありません。

 

あなたは、KDPのサービスを利用して、電子書籍を出版します。

ということは、Amazonが決めたルールに従わなければなりません。

つまり、Amazonが「No!」を突きつけたら、「法律上問題ない」とあなたが主張しても、それは「No!」であり、NGということです。

 

Amazonが突然ルール変更をしたとしても、それに従うしかありません。

不満があるなら、使わなければイイだけです。

これが、他者がつくったサービスを利用するということです。

 

GoogleやYahoo!といった検索エンジンだって同じです。

自分のサイト、WEBページが検索結果の上位に表示されないからといって、文句を言っても仕方がないわけです。

各Webページをどう評価するのか、どのページを上位に表示するのか、そのルールを決めているのは、Googleなわけですから。

 

もちろん、「文句を言うな!」「黙って従え!」ということを言いたいわけではありません。

「そんなことに時間と労力を投資してどうなるの?」ということを考えてください。

これは投資です。

時間と労力を(場合によっては、お金も)投資をして、それに見合ったリターンがあるのかどうか、、、しっかりと見極めなければなりません。

 

だから、「最初から注意を払っておいた方がイイ」と言ったわけです。

 

 

ここで、『著作権』と『肖像権』を見ていきましょう。

基本的な考え方は一つです。

「他人のものを勝手に使うな!」

著作権

著作権について考えるときに意識すべきことは、自分の著作権を守ることの前に、他人の著作権を守るということです。

 

自分の書いた文章を勝手に使われた時には大騒ぎするくせに、自分は平気で他人の文章を盗んでいる・・・これでは話になりません。

また、あとあと問題が大きくなる可能性が高いのも、他人の著作権を犯したときです。

(自分の著作権を犯された場合は、どういった対応をするのかはあなた次第ですから。)

 

著作権は、線引きが非常に難しいです。

似ているような行為でもOK・NGの判断が異なるケースもあります。

 

たとえば、カラオケを歌っている映像をそのままYouTubeにアップすると楽曲の著作権侵害。

でも、これがアカペラだとOK。

 

このように、単純な話ではありません。

また、著作権にはいろいろな権利が含まれているので、それらの権利(複製権・翻訳権・上演権・演奏権・上映権・公衆送信権・伝達権・口述権・展示権・頒布権・譲渡権・貸与権)にも注意が必要です。

 

ここまでくるとややこしい話に思えるかもしれませんが、他人の著作権を侵害しないためにあなたができることは、オリジナルの文章を書く(あなた自身の言葉で文章を書く)ということです。

当然のことながら、他人の文章のコピー&ペーストはやってはいけません。

肖像権

肖像権とは何か?

 

シンプルに表現すれば、本人の許可なく、その人の写真を撮ることも掲載することもダメということです。

その人が有名人であろうが、有名人でなかろうが、有名無名は関係ありません。

インターネット上では、よく有名人の写真を使っている一般の方がいます。

おそらく、その多くは許可など取っていないでしょう・・・。

 

肖像権の問題をクリアすることは、比較的簡単です。

本人の許可なく写真を撮らない・掲載しない。

どうしても必要であれば、事前にしっかりと許可を取る。

これだけのことです。

※肖像権には明文化された法律はありません。

電子書籍出版におけるアマゾンNGの可能性

電子書籍を出版する手続きの過程で、Amazonによるチェックが事前にあります。

これは、あくまでもAmazonのチェックです。

法律上、問題がない場合でも、Amazonのルールにおいてダメということもあり得ます。

逆に、AmazonがOKを出したからといって、法律上の問題もクリアになっているかというと、決してそうではありません。

 

Amazonの基本的な姿勢は「あなたが出版する電子書籍の著作権は、あなたが所有している」ということが大前提になっています。

なので、Amazonのチェックにおいて、インターネット上で似たような文章が見つかると、確認のメールが届きます。

これはあくまでも著作権の有無の確認です。

Amazonから確認メールが届いたら、無視せず、必ず対応してください。

 

もし、あなたがブログ記事をまとめた電子書籍を出版しようとすると、あなたのもとに確認メールが届くでしょう。

でも、電子書籍のもとになっているブログ記事があなたの文章であれば、まったく問題ありませんので、安心してください。

集客のために電子書籍を出版するということ

あなたが「集客のために電子書籍を出版する」ということは、あなたはビジネスをしているということです。

ビジネスをする以上、「知らなかった」「素人だから」という言い訳は通用しないという認識で取り組んだ方が良いでしょう。

 

著作権についてお伝えすべきだと思ったきっかけは「ジャニーズ事務所による・・・」記事を読んだことです。

ブログ運営者であるSMAPファンの方のことを知っているわけではありませんから、ここからは私の想像でしかありません。

おそらく、ブログ運営者は趣味の範囲内でブログをやっているのかもしれません。

でも、意識が希薄すぎると言わざるを得ないと感じます。

 

ブログ運営者は「何がどうダメなのか、理由を教えてください」という姿勢なのですが、こうも考えているようです。

  • 「テレビ局から削除要請がくるかもしれないと思っていた」
  • 「自分のブログだけではなく、ほかの人のブログ・SNSだって、画像などを使っている」

 

要するに、無断で使用することがダメなことを知っていた上で、何も言われないからやり続けていたわけです。

また、私以外にもやっている人がいるじゃないか、という考え方なわけです。

 

これは、ビジネスをする上で、マイナスにしかならない『損する思考』です。

 

仮に、これがビジネスで運営していたブログだったら、どうなるでしょうか?

ブログに取り組むにあたって投資した時間、労力、お金は必ずあるわけです。

さらに、そこから問題が発生し、それに対応するための時間、労力、お金・・・これらを追加で負担しなければなりません。

 

「バレなければ・・・」「他もやっている・・・」こういった思考のせいで、ビジネスでは、より多くのものを失うということを覚悟してください。

 

4つの条件を満たしたうえで、電子書籍に『引用』する

「他人の著作権を侵害しない!」ことは、非常に重要で当たり前のことです。

でも、著作権を厳格・厳密に適用しすぎることによって、マイナスも生じます。

マイナスとは、著作権の所有者である著作権者から利用の許可を得ようとするだけで大変な労力と時間がかかってしまうことです。

 

マイナスが生じるとは言え、事前に利用・使用の許可を得ておくのが、のちのち起こる(可能性がある)トラブルを未然に防ぐ、もっとも効果的な方法には変わりありません。

 


ここからは、『引用』と『転載』について、話をします。

実際に『引用』してみました、、、

著作権法では、条件を満たすことで、他人の著作物を自分の電子書籍(コンテンツ)のなかで『引用』することができると認められています。

もちろん、他人の著作物の全部ではなく、一部の引用です。

(詳しくはこちらを参照してください。文化庁「著作物が自由に使える場合」)

引用については、第32条を確認してください。

また、上記文化庁のサイトでは、引用についての注意事項として以下の点を挙げています。

(注5)引用における注意事項

 他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。

(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)

 

今回は例として、実際に『引用』してみました。

  1. 満たさなければならない「引用の条件」を記載する必要が、引用の必然性。
  2. 私のコンテンツとの区別は見ての通り、↑↑が引用部分であることが明確ですよね。
  3. 私のコンテンツが主体で、引用部分は私のコンテンツの一部に過ぎません。
  4. 出所も文化庁サイトの「著作物が自由に使える場合」というページということを明示。

これが、『引用』です。

『引用』と『転載』のボーダーライン

これら引用の条件を満たさない利用は、『転載』や『剽窃』となってしまします。

新聞や雑誌などの記事を丸々全部を電子書籍に取り入れようというケースは引用ではなく、『転載』です。

転載するときには必ず、事前に許可を取ることが必須です。

 

じゃあ、文章ではなく、写真や図はどうかというと、、、

写真や図はすべて『転載』にあたると考えておくことがベターです。

のちのちのトラブルを未然に防ぐためにも『転載』という解釈をしておいた方が良いでしょう。

転載は一切NGということもありますし、出所を明示すればOKという場合もありますので、しっかりと確認したうえで、対応することが望ましいです。

 

『引用』と『転載』を明確に線引きするというのは、結構難しいことです。

なので、引用する場合には、文化庁でサイトを参照し、先ほどお伝えした満たすべき条件をすべて満たしていることを確認したうえで、おこなってください。

※今日の解説は参考にとどめ、正確な法律判断は専門家に必ずご確認ください。

 

※剽窃(ひょうせつ)とは・・・他人の文章・語句・説などを盗んで使うこと。